債務整理すると旅行に行けない?自己破産、任意整理、個人再生と旅行

債務整理すると旅行にいけなくなるってホント?〜債務整理のデメリットの嘘とホント〜

債務整理するといくつかのデメリットが生じることがあります。

 

「借りたお金を返すのは当たり前」と思っている人が多いなかで、「借金を約束通りに返せないこと」は、やはり引け目に感じてしまうことが少なくありません。

 

そのため、債務整理する人にとってデメリットの存在はどうしても不安です。

 

しかも、債務整理のデメリットが本当のことよりも大げさに伝わってしまうこともあります。

 

「債務整理するとクレジットカードを一生作れない」、「債務整理すると戸籍に記録が残る」といった風評は、本当のデメリットが誇張されて伝わってしまった典型例です。

 

実際には、クレジットカードは一生作れないわけではありあませんし、戸籍に記録が残ることもありません。

 

「債務整理すると旅行にいけなくなる」というウワサもこれらと同じです。

 

これから解説するように、「債務整理しても旅行にいけなくなる」ということはありません。

 

しかし、債務整理後に旅行に行くにあたって注意しておかなければならない事もあります。

 

今回は債務整理と旅行について解説をしていきます。

 

また、『クレジットカード会社からも消費者金融からもお金を借り過ぎていて、自転車操業状態が1年以上続いている。』

 

『現実的に今の収入では借金を返済できないのは分かっているけど、1年以上放置し続けてしまっている。』

 

このような状況まで状態が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。

 

1人で悩み続け、手遅れになる前に今すぐに法律事務所に相談を行ってください。

 

どの法律事務所に相談をして良いか分からない方は、匿名で利用できる無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

 

それでは解説をしていきます。

自己破産すると生じるデメリット

債務整理の際に生じるデメリットについて、簡単にまとめておきましょう。

 

債務整理した際に生じるデメリットを大まかにまとめると下のとおりになります。

 

・債務整理すると信用情報に傷が付く
・債務整理すると財産を失うことがある
・債務整理すると、官報で公告されることがある
・自己破産して免責を受けられないときには、役所が保管する名簿に氏名等が記載される
・自己破産すると、一定の職業や資格に制限が生じることがある
・自己破産すると、一定期間、郵便物が破産管財人に回送・閲覧されることがある
・自己破産すると、「居住の自由」が一定期間制限されることがある

 

以上のように、債務整理で生じるとされるデメリットは、すべてが「必ず生じる」ものではありません。また、デメリットが一生続くというものはありません。

 

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

 

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

 

債務整理したことは、パスポートなどに記録が残るのか

債務整理をしても、「パスポートに記録が残る」、「一生出国できなくなる」、「入国制限される」ということは、ありません。

 

債務整理をしたことが役所の保管する帳票などに記録されるのは、「自己破産して免責を受けられなかったときの『破産者名簿への登載』」と「破産・個人再生のときの官報公告」のみです。

 

その他の帳票類である、「戸籍」、「住民票」、「パスポート」に過去に債務整理したことの事実が記録されることはありません。

 

もちろん、債務整理したことでパスポートが取得できなくなることもありません。

 

また、出入国審査の際に過去の債務整理や自己破産の有無を聞かれることもありません。

 

参考記事⇒債務整理とパスポート?自己破産や任意整理をすると取得できない?

 

財産状況が悪ければ、ビザの発給を受けられないことはある

長期の海外旅行には観光ビザ(査証)の発給をうけなければなりません。

 

また、留学や就労目的で海外渡航する際にもビザの発給が必要です。

 

ビザの発給を受けるためには、「素行要件(過去の犯罪歴の有無)」や「生計要件(収入状況)」をクリアする必要があります。

 

たとえば、ビザ申請直前に自己破産すれば、財産が全くない状態になるので、生計要件に抵触してしまいます。

 

債務整理(自己破産から)年月がたって、ビザ発給申請時の収入や資産状態に問題がなければ、過去の自己破産は不問とされることが少なくありません。

 

いずれにしても、このような状況まで追い込まれる前に問題解決に向けて動くべきなのは言うまでもありません。

 

まずは1日でも早いタイミングで専門家に相談をして下さい。

 

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永住・就労ビザ・就学といったビザの発給には、自己破産は関係してきます。

 

ビザの発給条件には、素行要件や生計要件があります。ビザ申請直前に自己破産すると、この要件に抵触します。
引用参考:ビザ・日本滞在 | 外務省

 

自己破産が過去のもので、現在の収入・資産に問題がなければ、不問とされる場合もあります。

 

なお、日本人が短期の観光(14日以内の滞在)するときには、ビザが不要である国がほとんどです。

 

ちょっとした海外旅行であれば、自己破産(債務整理)の影響はほとんどないといってよいでしょう。

 

自己破産した場合の「居住地の制限」と旅行との関係

自己破産したときには、一定期間「居住地を離れること」に制限が生じることがあります。

 

根拠となる条文は、下に示す破産法37条です。

 

(破産者の居住に係る制限)

第三十七条 破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。
2 前項の申立てを却下する決定に対しては、破産者は、即時抗告をすることができる。
引用参考:破産法|eGOV

 

「居住地を離れる」のに裁判所の許可が必要な理由

破産法37条に定められる「居住地を離れることの制限」は、自己破産したことのペナルティではありません。

 

自己破産したときには、破産者の財産を確保するために、調査が必要なことが少なくありません。

 

破産手続きにおいて破産管財人が行う職務には次のようなものがあります。

 

・破産者の財産の売却(換価)
・破産者に財産隠しや申告漏れがないかの調査
・未確定の権利関係(過払い金など)があるときの対処
・偏頗弁済(へんぱべんさい)や詐害行為があったときの否認権行使
・破産者の財産が他者の占有されているときの取戻権の行使
・債権者が個別に財産を差し押さえているときの対処
・免責判断についての調査
・破産者の自由財産(破産しても取り上げられない財産)の拡張についての意見陳述

 

破産者の居場所がわからなくては、破産管財人の職務遂行(破産手続きの進行)に支障がでる場合があります。

 

そこで、破産者は自由に居住地を離れることを制限する必要があるのです。

 

もっとも、破産管財人の職務遂行に差し障りがなければ、破産者であっても転居や旅行は可能です。

 

あえて繰り返しますが、このように自己破産しか選択肢が無くなる前に借金問題は解決してしまうのが1番です。

 

問題を後回しにすればするだけ事態は深刻化し、取れる対応策は減っていきます。

 

1人で悩み続けるのではなく、まずは今すぐのタイミングで専門家に相談することをおすすめします。

 

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裁判所の許可を得ずに勝手に旅行(や引っ越し)をしたらどうなるか?

「ちょっとの旅行ならバレないだろう」と安易に考えて、裁判所の許可を得ずに勝手に旅行に行くことは絶対にやめるべきです。

 

裁判所の許可を得ずに勝手に旅行したことがバレてしまったときには、「免責不許可」という重大なペナルティが科される可能性があります。

 

破産法は、破産者が必要な説明を拒んだときや、破産法が定める義務に違反したときには、免責不許可とすることを定めています(破産法252条1項8号11号)。

 

特に、最近の裁判所は、「破産手続きに協力しない破産者」に対して厳しい態度を取る傾向が強いので注意が必要です。

 

実際のケースでも裁判所の許可を得ずに勝手に長期の海外旅行にでかけ、破産者としての義務を果たさなかったことを理由に免責不許可となった事例があります。

 

「居住地を離れる」のに裁判所の許可が必要なのはいつまでか

 

自己破産によって「居住地を離れること」が制限されるのは、「裁判所による破産手続き開始決定」から「破産手続きの終了」までです。

 

条文上は、「復権(免責)まで」と読めなくもないのですが、破産法37条の義務は、破産管財人の職務遂行のために発生する義務であるため、破産手続き終了後まで制限を加える理由がありません。

 

居住地を離れることが制限されるのは「管財事件」の場合のみ

自己破産によって居住地を離れることが制限されるのは、「管財事件」となった場合のみです。

 

自己破産を申し立てたときに管財事件となるのは、次の場合です。

 

・破産者に20万円を超える財産があるとき
・破産者に財産隠しが疑われる場合
・過払い金の有無を調査する必要がある場合
・偏頗弁済が疑われるとき
・破産申立て前に債権者から差押えをされている場合
・上記のほか免責不許可事由の存在が疑われるとき
・破産者の自由財産を拡張する場合

 

ウェブ上には「財産さえなければ同時廃止となる」と説明しているサイトもありますが正しくありません。

 

現在の裁判所の運用では、破産者の財産が乏しい場合でも、免責不許可事由の存在が疑われるときなどには、管財事件として取り扱います。

 

近年は同時廃止ではなく(少額)管財として取り扱う事件数が増えています。

 

東京地裁の個人破産は約半数程度が管財事件となっています。

 

同時廃止でも「好き勝手に旅行できる」わけではない

同時廃止となったときには、破産管財人は選任されずに、破産手続きは開始と同時に終了(廃止)します。

 

したがって、破産法37条が定める義務は発生しません。

 

しかし、同時廃止事件となったときには、後の免責手続きにおいて必ず「免責審尋」が開かれます。

 

裁判所が免責を与えることについて必要な審理をしなければならないからです。

 

最近の裁判所は、免責審尋に破産者本人が出頭することをとても重視しています。

 

同時廃止になったからといって気が緩んで、旅行のために「免責審尋」を欠席すれば、免責不許可となる可能性があります。

 

同時廃止の場合には旅行に裁判所の許可がいらないといっても、いつでも自由に旅行できるとは限らないのです(免責審尋の日は外さなければダメ)。

 

自己破産以外の債務整理であれば、自由に旅行することができる

債務整理は、自己破産だけではありません。任意整理、個人再生を利用したときには、自己破産のような居住地を離れる制限は一切生じません。

 

毎月決まった金額を3年〜5年間きちんと返済できるのであれば、自己破産しなくても借金問題は解決できます。

 

借金の返済に行き詰まったときには、できるだけ早い段階で弁護士・司法書士に相談することが大切です。

 

「債務整理すると旅行にいけなくなる」のまとめ

「債務整理すると旅行できなくなる」というのは明らかに誤った情報です。

 

自己破産した場合であっても裁判所に申し出ることで、旅行(も引っ越し)もすることができます。

 

自己破産による居住地を離れることの制限は、破産手続きを適正・迅速に進めるための義務なので、破産手続きに支障がない限りは認めてもらえるのが原則です。

 

しかし、「裁判所に許可を申し出ることも面倒」という場合には、自己破産以外の方法で債務整理する必要があります。

 

任意整理や個人再生は、「毎月一定額を返済する」債務整理の方法です。

 

自己破産によるデメリットを回避するためには、借金が膨らみきる前に債務整理に踏み切ることが大切です。

 

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