美容師と債務整理〜美容師が自己破産や任意整理をする4つの方法と注意点

美容師が債務整理をする前に知りたい8つのポイント

美容師は人気のある職業です。

 

「カリスマ美容師」という言葉がはやった時期もありましたが、自分の技術ひとつで大成功できる可能性があるのも大きな魅了でしょう。

 

その他方で、アシスタント時代は給料が安いこともよく知られています。

 

しかも、美容師は、衣服の購入費やスキルアップのために自己投資が欠かせないこともあり、お金のやりくりが大変という方が少なくないようです。

 

実際に、美容師の方が借金問題に苦しむケースは非常に多いです。

 

また、独立後も「経営者」として、様々な苦労話を耳にします。

 

大成功した話の裏側には、多くの苦労や失敗談があるものです。

 

美容師が債務整理する際には、いくつかの難しいポイントに注意する必要があります。

 

そこで、今回は美容師が債務整理する際の注意点について、「雇われている方」、「独立している方」に分けて説明していきます。

 

また、重要なことなので結論からお伝えします。

 

美容師の方は、一般の方よりも慎重に早期の段階で専門家に相談することをおすすめします。

 

債務整理を選択することで、美容師免許がはく奪される事はありませんし借金問題は早期での解決が鉄則です。

 

時間がたてばたつだけ状況は悪くなり、取れる対応策は減っていきますし債務整理後の生活にも悪影響を与えてしまう可能性が高まります。
『給料が出ても、返済や支払い関係を済ますとお金がだいぶ減ってしまい月末になるとまた借りてしまう。』

 

『自力での返済は現実的に難しいのは頭では分かりながらも、放置したり後回しにしてしまっている。』

 

このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している非常に危険な状態です。

 

1人で悩むのではなく、手遅れになる前に今すぐ法律事務所に相談をしてください。

 

どの法律事務所に相談をしたら良いか分からない方は、匿名で利用できる無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

 

それでは解説をしていきます。

 

債務整理しても美容師は続けられます

たとえば、弁護士や公認会計士、警備員といった資格・職業は、自己破産すると資格や就職に制限があります。

 

しかし、美容師の免許は、債務整理によって一切の影響を受けません。

 

美容師免許の欠格事由は、美容師法3条2項が次のように定めています。

 

心身の障害により美容師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定める人
無免許営業した(美容師法6条違反)
業務停止処分違反(美容師法10条3項)によって免許を取り消された人

 

美容師の業務停止(厚生労働省が公表している業務停止の基準)は、美容所以外での営業や衛生管理の懈怠に基づくものなので、「借金」や「債務整理」は一切関係ありません。

 

債務整理と職業制限についてはこちらの記事で詳しく解説をしています。

 

自己破産しても「ハサミ」などの業務上必要な道具は失わない

自己破産は、保有する財産を処分して借金を清算する手続きです。

 

しかし、すべての財産が処分され「身ぐるみをはがされる」わけではありません。

 

自己破産しても美容師のハサミ等の道具は、「技術者の業務に欠くことができない器具」なので差押えされません(民事執行法131条6号)。
詳しくは、自己破産のメリットとデメリットの記事で詳しく解説をしています。

 

美容室に雇われている方が債務整理する際の注意点

美容師が債務整理する際のポイントは、「従業員として働いている場合」と「独立している場合」で変わってきます。

 

まずは、雇用されている美容師のケースから説明していきます。

 

職場に取立てがくれば解雇される可能性がある

「借金を抱えている」、「債務整理をした」という理由だけで解雇・懲戒することは、法律で禁止されています。

 

労働契約法15条は「客観的に合理的な理由のない解雇は無効」と定めています。

 

借金や債務整理だけで解雇することは合理的な理由があるとはいえません。

 

しかし、借金が原因となって、次のようなことが生じれば、解雇される可能性があります。

 

借金返済の金策のために「無断欠勤」が増えた
借金の取立ての電話が店に頻繁にかかってきて「営業に支障がでた」
借金の取立員が店にやってきて「店の評判を落とした」

 

いずれにしてもこのような状態になる前に、解決してしまうのが一番です。

 

1人で悩み続けていても状況が好転することはありませんし、取れる対応策が減っていくだけです。

 

今すぐ専門家と相談をし、今取れるベストの対策をしていくことをおすすめします。

 

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自転車操業する前の任意整理がもっともおすすめ

通常は、債務整理をしても勤め先に知られることはありません。

 

「借金があること」が勤め先に知られてしまう一番の原因は、「追加の借金をする際の在籍確認」です。

 

借金の返済のために借金をすることを「自転車操業」とよぶことがあります。

 

自転車操業は、「その場しのぎ」に過ぎません。借金は減らずに増えていくので、確実に破綻します。

 

「借金の延滞」が続くようなると、「返済の督促」はより大きな精神的負担となります。

 

そのため、あなたの携帯電話宛ての「消費者金融やカード会社からの電話」に出るのが辛くなっていきます。

 

債権者は「あなたと連絡が取れているうち」は、取立てのために勤め先に連絡することはありません。

 

「取立てのために勤務先に連絡する」のは、「あなたと連絡がとれないとき」に限られます。

 

借金のことで勤め先に迷惑をかけないためには「延滞しない」のが一番です。

 

「延滞しない」ためには、「自転車操業する前に債務整理する」のがベストです。

 

延滞は「利息の負担」が原因となることが少なくありません。

 

プロミスやアイフルといった消費者金融から借金した場合、最初の1年の返済額の約半分は「利息」の支払です。

 

利息の負担が厳しいときには、任意整理がおすすめです。

 

任意整理は、利息の支払を免除してもらい分割払いをやり直す方法です。

 

また、裁判所を用いない債務整理なので、手続きも簡単で、他人に知られる可能性のもっとも低い方法でもあります。

 

任意整理については、任意整理のメリットとデメリットの記事で詳しく解説をしています。

 

ヤミ金だけはやめましょう

上の説明は、「正規の金融機関」に限った話です。

 

銀行や正規の貸金業者・カード会社は、法律や監督官庁の指導による規制をうけて営業しています。

 

しかし、ヤミ金は規制とは無関係に取立てや嫌がらせ行為をしてきます。

 

近年では、FacebookやLINEといったSNSを利用するヤミ金が増えています。

 

美容師は評判が重要な職業ですから、「SNSを通じて悪評を流される」ことは致命的な打撃となることがあります。

 

また、正規の貸金業者からは、「年収の1/3まで」しか借金できません。

 

自転車操業しようにも「貸してくれるところがない」ケースが増えています。

 

「今日の返済日を何とかしのぎたい」とヤミ金に手を出してしまってはいけません。

 

参考⇒闇金の借金は債務整理できる?弁護士や警察に相談をする前の注意点

 

独立を考えている方は「早めに借金問題を解決」しましょう

美容師になった方のほとんどは「自分の美容院をもつ」ことを目標としていると思います。

 

債務整理すれば、その後数年間は金融機関からの借入が難しくなります。

 

したがって、「近年中に独立」を目指している方は、借金の問題が大きくならないように細心の注意を払う必要があります。

 

しかし、「将来の融資に悪影響があるから債務整理しない」のもおすすめできません。

 

債務整理を先送りして借金の問題が解決することは稀なケースです。

 

多くの場合、借金はさらに膨らみ「自己破産」しか選択肢がなくなります。

 

金融機関からの借入が難しくなる期間は、任意整理は5年です。

 

しかし、自己破産では10年間銀行からの借入れができなくなります。

 

独立という目標がある方こそ、「早めの債務整理」が重要です。

 

参考⇒債務整理後に消費者金融や銀行から借入や融資をしてもらう3つの方法

 

個人再生は、給与体系によって利用できる手続きが違います

利息を免除してもらうだけでは借金問題が解決しないときには、裁判所に個人再生を申し立てる方法があります。

 

個人再生では、利息だけでなく「借金」も減らして原則3年で分割返済します。

 

たとえば、300万円の借金であれば100万円まで減額される可能性があります。

 

個人再生の利用には「収入面」の条件をクリアする必要があります。

 

特に美容師の場合には、給与体系の違いによって、利用できる手続きが異なります。

 

美容師の給与体系は、アシスタント(見習い)とスタイリストで異なることが一般的です。

 

アシスタントは原則として「固定給」ですが、昇進するにつれ「歩合」の割合が多くなります。

 

固定給の場合には、個人再生のうちの「給与所得者等再生」も利用することができます。

 

しかし、歩合の割合が多くなると個人再生は「小規模個人再生」しか利用できません。

 

給与所得者等再生と小規模個人再生の違いを簡単にまとめると次のようになります。

 

小規模個人再生では、再生計画の認可に債権者の同意(消極的同意)が必要
給与所得者等再生では、債権者の同意がなくても再生計画は認可される
給与所得者等再生では、小規模個人再生よりも返済額が多くなるケースが多い

 

「ほとんど返済していない借金」や「延滞が悪質」なケースでは、債権者の同意が得られない可能性があります。

 

個人再生の場合でも、「ひどい延滞」、「自転車操業」となる前に申し立てることが重要です。

 

詳しくは個人再生のメリットとデメリットの記事で解説をしています。

 

アシスタントは法テラスで費用を立て替えてもらえることも

アシスタント(見習い)は特に収入が少なく、月10万円程度しか支給されないケースも少なくないようです。

 

経済的に困窮している方は、債務整理に必要な費用を法テラスに立て替えてもらえる可能性(民事法律扶助制度)があります。

 

法テラスの利用は、債務整理を依頼した弁護士・司法書士から民事法律扶助に持ち込む方法があります。

 

「弁護士・司法書士に頼めるお金がない!」とあきらめる必要はありません。

 

ですが、法テラスに関してはメリットもあればデメリットもあるのも事実。

 

必ず借金問題に精通した専門家に当たるとは限りません。

 

最近では、費用の分割や後払いが出来る法律事務所がほとんどの為あえて法テラスを使う必要はないかもしれません。

 

しっかりと確認をしたうえで、制度を利用をする事が重要です。

 

詳しくは、債務整理と法テラス〜自己破産や任意整理の弁護士費用の違いとメリットの記事で解説をしています。

 

いずれにしても借金問題は時間との勝負です。

 

1人で悩むのではなく、専門家と相談をしながら今すぐ対策を講じていくことをおすすめします。

 

今すぐ専門家に相談する⇒

独立している美容師が債務整理する際の注意点

既に独立している方の借金問題は、大きく次の2つに分けることができます。

 

美容院の経営が芳しくなく借金を抱えてしまったケース
美容院の経営とは無関係の借金を抱えているケース

 

まず、前者のケースでは、借金が多額となりやすいことに注意が必要です。

 

自己破産した場合には、美容院の経営をそのまま続けることは難しくなります。

 

借金が多額のケースでも個人再生を利用して自己破産を回避できます。

 

しかし、借金の額が5,000万円を超えるときには、個人再生を利用できません。

 

複数の店舗を構え法人経営している方などは、法人の融資の連帯保証をしていることが少なくありません。

 

連帯保証している額も上記5,000万円に含まれます。

 

借金が5,000万円を超えるときには「通常の民事再生」を申し立てることも可能ですが、手続きが非常に複雑です。

 

また、費用も個人再生に比べ高額となります。

 

次に、後者のケースでは、美容院の営業継続を前提に債務整理することが多いでしょう。

 

債務整理後も美容院の営業を継続する際には、次の点に注意が必要です。

 

従業員がいる場合には、「未払い賃金」を支払う必要がある

自己破産・個人再生いずれを利用したケースでも従業員への賃金は、必ず支払う必要があります。

 

未払い賃金は一切減免されません。また、個人再生中の従業員の給与も通常通り支払う必要があります。

 

滞納家賃の対応は慎重に!

美容院経営で最も大きな固定費は店舗家賃です。

 

特に滞納家賃がある際の個人再生には注意が必要です。

 

滞納家賃は再生債権となるので他の借金と同様に減額されます。

 

したがって、滞納家賃があるときに個人再生をすると店舗を退去させられる可能性があります。

 

「滞納家賃を先に返済してから個人再生を申し立てる方法」も考えられますが、偏頗弁済となります。

 

個人再生では偏頗弁済相当額は清算価値に計上する(他の債権者への支払額が増える)ことになります。

 

たとえば、18万円の家賃2ヶ月分の延滞家賃を偏頗弁済したケースでは、個人再生での返済額は36万円(毎月換算で1万円)増える可能性があります。

 

自己破産するケースでは、悪質な偏頗弁済は免責不許可事由(破産法252条1項3号)となります。

 

リース設備は引き上げられる

シャンプー台やPOSレジなどの店舗設備にも注意が必要です。

 

重要なポイントは次のとおりです。特に最近はリースで設備を整える方が増えていますが、リース物品は個人再生・自己破産するとほぼ確実に引き上げられます。

 

債務者名義で20万円以上の価値のある設備は「換価」・「計上」の対象となる
リース(ローン)の設備は、リース(ローン)会社に引き上げられる(別除権)
個人再生・自己破産直前の処分・名義変更は厳禁(偏頗弁済・詐害行為)

 

薬剤等の購入代金の支払にも注意

個人再生をしても美容院の営業を継続するときには、営業に伴う様々な契約関係の処理にも注意が必要です。

 

たとえば、シャンプーやパーマ液等の購入代金の決済等に注意が必要です。

 

事業の継続に必要な少額の債務は、再生計画と別に支払うことが可能です。

 

しかし裁判所の許可が必要となる(民事再生法85条5項)ので、独断で支払うことは控えるべきです。

 

必ず事前に弁護士に助言を求めておきましょう。

 

個人再生では「新規の借金」ができない

当然のことですが、個人再生中は「新規の借金」はできません。

 

運転資金の確保のためであっても控えるべきです。「バレなければよい」という発想は非常に危険です。

 

再生手続き中に新規の借金が発覚したときには、弁護士に辞任されるおそれもあります。

 

また、再生計画不認可の理由ともなりかねません。

 

再生計画認可後の借金は、必ずしも法律で禁止されているわけではありません。

 

しかし、正規の金融機関が融資してくれることはまずないでしょう。

 

ヤミ金に手を出せば、再生計画の履行(毎回の支払い)に必ず影響します。

 

再生計画の不履行は再生計画取消の理由になります。

 

個人再生後も営業を続けるケースでは、申立て前に再生計画の3年間の資金繰りを含めて弁護士に相談しておいた方がよいでしょう。

 

独立している方も「早期対応」の「任意整理」が最善

独立している方が個人再生や自己破産する際には、複雑な問題を多く処理しなくてはいけません。

 

個人再生や自己破産は「全ての債務」を漏れなく対象としなければならないためです。

 

任意整理であれば、たとえば、「プロミスとセゾンカードの借金だけを整理する」ことが可能です。

 

リース設備や薬剤等の支払いは、これまで通り維持した上で、問題のある借金だけを解決できます。

 

しかし、任意整理では、「利息の負担」しか免除されません。そのため「借金が多額すぎるケース」では、任意整理では借金を解決できないことがあります。

 

美容院の営業を続けながら債務整理するには、「早期対応の任意整理」がとても重要です。

 

「あきらめない」、「放置しない」が重要

美容師の借金問題は、難しいケースが少なくありません。

 

「給料が安いからどうにもならない」と諦めたり、「店が忙しい」と問題を先送りすれば、借金問題は必ず深刻化します。

 

ここまでお話ししてきたように美容師の借金問題は「任意整理」で解決することがベストです。

 

任意整理で返済できれば、美容師としての仕事(経営)に大きな影響を与えることなく借金を解決できます。

 

任意整理で借金を解決するためには、「早期対応」に限ります。

 

いまでは多くの弁護士・司法書士が無料で債務整理の相談に応じています。

 

まずは弁護士・司法書士に「借金がいくらまで減るのか」訪ねてみるところからはじめるとよいでしょう。

 

借金の問題は必ず解決できます。1日でも早い行動をすることが重要です。

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