郵便局員と債務整理〜自己破産や任意整理をする4つの方法と注意点

郵便局員が債務整理をする前の注意点と方法

世間的には意外に思われる方が多いですが、郵便局員の方が借金問題に悩む方は少なくありません。

 

確かに、一般の方が郵便局員に対して持っているイメージは、安定していて給料もそこそこ高い。といったイメージです。

 

たしかに、郵便局が倒産してしまう可能性はほとんどないでしょう。

 

さらに、分割民営化前は公社(公務員)だったので、一般企業と比べて福利厚生も悪くはありません。

 

しかし、現実的には郵便局員は必ずしも高収入の仕事というわけではありません。

 

ところで、郵便局は郵便集配業務だけでなく、銀行業務、保険業務など幅広く事業を行っています。

 

そのため、年賀状、預金確保、保険勧誘、ふるさと小包、地域の特産品などさまざまなノルマで苦労している人も多いようです。

 

「自爆営業」のために「生活が苦しい」という郵便局員も珍しくありません。

 

では、そんな郵便局員が債務整理をすると仕事にどのような支障があるのでしょうか。

 

重要なことなので結論からお伝えします。

 

郵便局員の方の借金問題は、一般の方以上に早い段階で専門家に相談することをおすすめします。

 

借金問題は時間との勝負。時間が経過すればするだけ状態は悪くなり好転することは絶対にありません。

 

『現在の収入から考えて、完済は厳しいという事を心の中では理解しているが後回しにしたり放置してしまっている。』

 

『自転車操業のような状態が1年以上続いていて、借入残高が減っていない。』

 

このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

 

手遅れになる前に、1人で悩むのではなく今すぐ弁護士に相談をしてください。

 

法律事務所は匿名で利用できる、無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

 

この記事では、郵便局員が債務整理する際の8つのポイントについて解説します。

 

それでは解説をしていきます。

郵便局員の身分

郵便局は、2007年10月に分割民営化されました。

 

これにより郵便局(日本郵政公社)は、統括会社である日本郵便株式会社(持株会社)と郵便局株式会社。

 

「日本郵政株式会社」、「郵便事業株式会社」、「株式会社ゆうちょ銀行」、「株式会社かんぽ生命保険」の4つの会社に分割されました。

 

郵便局員とは、これら日本郵政グループに採用された一般職・カスタマーサービス(CS)職のことをいいます。

 

日本郵政公社時代は、「公務員」でしたが、現在は、原則として会社員という扱いになります。

 

なお、「郵便認証司」、「内容証明の業務に従事する者」、「特別送達の業務に従事する者」は、「みなし公務員」となります(郵便法第74条)。

 

郵便局員が自己破産すると職務に悪影響がでる可能性が高い

郵便局員が自己破産する際には、次の理由から職場との関係に注意が必要です。

 

郵便局員が自己破産すると日常の業務に支障がでる可能性がある
勤務先に自己破産したことを知られる可能性がかなり高い

 

自己破産するとかんぽ業務に影響がでる

郵便局では「かんぽ生命」の商品を取り扱う業務があります。

 

自己破産すると、かんぽ販売の業務に影響を与える可能性があります。

 

かんぽの販売に従事している郵便局員が、自己破産する際には、上司と相談する必要があるでしょう。

 

自己破産がかんぽの販売に与える影響は次のとおりです。

 

「破産手続き開始決定から復権」までの間は、保険募集人としての登録を受けられない
すでに保険募集人として登録されている人が自己破産すると「登録を取消し」または「業務停止命令」を受ける可能性がある

 

上司から「保険募集人になるように勧められている」人が自己破産するときには、その時期に注意が必要です。

 

生保募集人になるためには「一般課程試験」に合格し、国の登録を受けなければなりません。

 

しかし、「破産者で復権を得ない者」の新規登録は拒絶されることが保険業法で定められています(保険業法279条)。

 

すでに保険募集人としての登録を受けている人が自己破産すると、「登録を取り消し」または「業務の停止処分」を受ける可能性があります。

 

参考⇒(保険業法307条)

 

ところで、この保険業法307条は、登録の取消または業務停止の命令をすることが「できる」と定めているに過ぎません(任意的取消)。

 

さらに、保険募集人には、自己破産した場合の報告義務もありません(法人は報告義務有り)。

 

したがって、郵便局に黙っていれば、何のおとがめも受けないという可能性もないわけではありませんが、あまりお勧めしません。

 

やはり上司への報告・相談は必須でしょう。

 

保険募集人と債務整理の関係については下記のページで解説をしています。

 

参考⇒保険募集人と債務整理?自己破産や任意整理をしたら会社はクビになる?

 

いずれにしても、借金問題の早期解決は鉄則中の鉄則です。

 

後から取り返しのつかない状態になってしまわぬよう、1人で悩むのではなく今すぐ専門家に相談をしてください。

 

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業務の制限を受けるのは「破産手続き開始」から「免責確定」まで

下は、自己破産の手続きをフロー図にしたものです。自己破産による保険募集人の制限は、「破産手続き開始決定」から「復権」までの間に限定されます。

 

「自己破産を申し立てたとき」からではないことに注意が必要です。

 

この制限は、「復権」によって解除されます。

 

したがって、「自己破産すると一生保険募集人になれない」というわけではありません。

 

復権後であれば、新規登録・再登録も可能です。

 

なお、復権は、通常の自己破産では「免責の確定」によってなされます。

 

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自己破産による資格制限は、裁判所による「破産手続き開始決定」から「免責確定」までは、3〜6ヶ月ほどかかります。

 

しかし、借金や保有財産の状況によっては、免責確定まで1年ほどかかることもあります。

 

管財事件となると自己破産したことを郵便局に知られる

自己破産した際には、職業や資格の制限以外にも、「転居・移動(旅行)の制限」や「通信の制限」が生じます。

 

特に、郵便局員の自己破産では、「通信の制限」に注意が必要です。

 

自己破産したときには、「財産の隠匿の防止」や「財産調査」のために、破産者の通信が制限されます。

 

具体的には、破産者宛の郵便物が破産管財人へ転送され、破産管財人によって開封・閲覧されます。

 

そのため、自己破産すると、裁判所から日本郵便株式会社(破産者の住所を管轄する集配局)宛に「回送嘱託」が行われます。

 

つまり、「自己破産した○○さん宛ての郵便物を(破産管財人である)××弁護士(法律事務所)宛てに回送してください」という依頼がなされます。

 

自局管内に居住している郵便局員が自己破産したときには、郵便局に自己破産したことを知られることは避けられないといえるでしょう。

 

管財事件となるのはどのような場合か

自己破産による通信制限(郵便物の転送)は、「管財事件」となった場合のみ生じます。

 

自己破産による通信制限は、自己破産したことへの「罰則」や「ペナルティ」の類いではありません。

 

債権者の権利を保護するために、「破産者の財産」を適正に調査するために必要だからです。

 

したがって、換価配当の手続きが省略される「同時廃止」となったときには、破産者に対する通信制限を行う必要はありません。

 

また、破産者の通信制限は、破産手続きの終了までに限定されます(破産手続き終了前に解除されることも少なくありません)。

 

なお、同時廃止とされるのは、「破産者に予納金を支払える資力がない場合」です。

 

具体的には、「破産者に20万円を超える財産がない」ときに、同時廃止となります。

 

しかし、破産者に財産がない場合でも、次のようなときには、破産管財人を選任する必要があるために、「管財事件」となることがあります。

 

破産者に免責不許可事由があることが疑われる場合
破産者の自由財産を拡張する必要があるとき
破産者に対してすでに開始された強制執行を停止させるとき

 

あえて、繰り返し言いますがこのような状態になる前に早く問題を解決してしまうのが本来ベストなのは間違いありません。

 

専門家と相談をしながら、一番メリットが高く、仕事や家庭に影響が少ない方法をすすめていくことをおすすめします。

 

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自己破産する前に報告・相談すべき

たとえば、住まいが勤務先の郵便局の管轄外であるときには、自己破産しても「勤務先に知られずに済む」可能性もあります。

 

また、かんぽ業務にも支障がない(取消も業務停止も受けない)場合もあるでしょう。

 

しかし、郵便局員が自己破産する際には、必ず勤務先に事前相談することが重要でしょう。

 

回送嘱託の情報が他の郵便局との間で共有されている可能性も否定できません。

 

自己破産したことよりも、「相談・報告しなかったこと」が処分の理由となる可能性もあるからです。

 

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

 

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

 

「債務整理」は自己破産だけではない

債務整理は自己破産以外にも、「任意整理」や「個人再生」といった方法があります。

 

したがって、「自己破産したくないから債務整理はできない」と諦める必要はありません。

 

収入が安定している郵便局員は、任意整理や個人再生で借金を解決できる場合が少なくないからです。

 

任意整理や個人再生では、通信・職業・資格の制限を受けない

先に説明した職業・資格・通信の制限は、自己破産した場合に限って生じるデメリットです。

 

任意整理や個人再生では、これらの制限は一切生じません。

 

また、いずれの手続きも「財産の処分」も不要です。

 

個人再生では、住宅ローンの残ったマイホームでも手放さずに借金問題を解決できる場合があります。

 

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

 

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

 

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

 

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

 

共済からの借入に注意

郵便局に知られずに債務整理をしたいときには、「共済(日本郵政共済組合)からの借入」に注意が必要です。

 

共済からの借入を債務整理すると、共済(の担当者)を通じて勤務先に債務整理したことが知られる可能性があります。

 

共済の担当者には守秘義務がありますが、職場に伝わる可能性は「ゼロ」とは断言できません。

 

特に個人再生は、「すべての借金」を対象に手続きを行う必要があります。

 

したがって、共済から借入のある人が、アコムやプロミス、銀行カードローンを個人再生で解決するときには、「共済組合だけを除外する」ことはできないので注意が必要です。

 

任意整理で解決するためには早期対応が重要

郵便局に知られずに債務整理するには、「任意整理」で解決する方法がベストです。

 

任意整理の特徴をまとめると次のとおりになります。

 

任意整理は裁判所を用いずに債権者と直接交渉する
任意整理なら「債務整理する借金を選ぶ」ことができる(共済を除外できる)
任意整理がまとまると「将来の利息」を免除してもらえる
任意整理後は、3〜5年ほどの分割で借金を返済する

 

任意整理は裁判所を用いずに、借金を選んで債務整理ができます。

 

そのため、他人や勤務先に知られずに債務整理したいときには、ベストの方法です。

 

任意整理では「将来発生する利息の免除」と「3〜5年程度の分割返済」を認めてもらうことが一般的です。

 

自己破産のように「すべての返済義務の免除」や個人再生のように「借金の減免」はありません。

 

したがって、任意整理で借金を解決するためには、借金が膨らみすぎる前に着手することが重要です。

 

郵便局員の債務整理まとめ

郵便局員は自己破産すると仕事に影響がでる可能性が高いといえます。

 

しかし、自己破産できなくても、個人再生や任意整理で借金の問題は解決できます。

 

「自己破産したくない」からと問題の解決を先送りすると、事態はどんどん深刻化します。

 

借金が膨らみすぎる前に任意整理できれば、仕事や生活に大きな影響を及ぼすことなく、借金の問題は解決できます。

 

「借金の返済が苦しい」と感じたときには、さらに借金して自転車操業するのではなく、1日でも早く専門家に相談することをおすすめします。

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