上場企業勤務会社員と債務整理〜自己破産や任意整理をする4つの方法と注意点

上場企業勤務会社員の債務整理を成功させる9つのポイント

今回は、NTTや味の素といった上場企業社員が債務整理するときに知っておきたい重要ポイントについて解説していきます。

 

上場企業社員といえば、収入も安定していて借金とは無縁と思いがちですが、勤務先や収入にかかわらず、借金問題は誰にでも降りかかりうる問題です。

 

逆に、上場企業社員の借金問題は、中小企業社員の借金問題よりも深刻な場合がすくなくありません。

 

借金の金額が大きいケースや、対応が後手になりすぎるケースも珍しくないからです。

 

また、上場企業に勤めていれば、債権者も強行的な回収に打って出てくる場合も少なくありません。

 

そのため、対応を間違えると、借金や債務整理が会社にバレてしまうこともありうるでしょう。

 

JR各社やカルビー、ファーストリテーリング(ユニクロ)といった有名企業に勤めていて債務整理を考えている人は、参考にしてください。

 

また、『利息の支払いだけで毎月かつかつで、自転車操業のような状態が続いている。』

 

『借金の元金が1年以上の長期に渡って減っていないor増えている。』

 

このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

 

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それでは解説をしていきます。

 

上場企業社員の借金は深刻なケースが多い

ヤマハやアサヒビールといった上場企業社員が借金の返済に行き詰まってしまったときには、かなり深刻な問題になっていることが少なくありません。

 

その理由は、次のとおりです。

 

設定されている借金の限度額が大きいため
借金の原因にも問題がある場合が多い
体裁を気にして対応が遅くなりやすい

 

上場企業に勤務していると借入限度額も大きいので多額の借金になりやすい

金融機関からの借金やクレジットカードには、申込者の信用力に応じて「限度額」が設定されます。

 

金融機関による信用力評価の基本は、「属性評価」です。

 

属性評価は、勤務先、勤続年数、年齢、家族構成、持ち家の有無といった複数の指標を数値化(スコアリング)して行われるものですが、日本の金融機関は、特に「勤務先」を重視します。

 

丸紅やJT(日本たばこ)、東レ、ミズノといった誰でも知っている上場企業であれば、倒産の可能性や、顧客が突然退職する可能性も低いからです。

 

そのため、安心してお金を貸せる客ということで、中小企業社員や個人事業主などよりも高額な限度額が設定される場合が少なくありません。

 

借金の返済に行き詰まってしまう人の多くは、限度額一杯の借金を抱えていることも珍しくないので、限度額が高い人ほど、多額の借金を抱えやすいということになります。

 

借金の原因にも問題がある場合が多い

東京ガスや三井不動産のような有名上場企業の社員であれば、生活費に困って借金をするということはあまりないでしょう。給料も平均水準以上で、会社の福利厚生もしっかりしているからです。

 

したがって、KDDIやTOTOのような上場企業社員が借金は、浪費やギャンブル、風俗、愛人、投資や不動産などへの投資といった、多額の借金を抱えやすい事情が原因となっている場合が多いといえます。

 

最近では、オリエンタルランドやライオンのような安定した企業の社員でも、FXは仮想通貨(暗号通貨)で財テクをする人も増えているでしょう。

 

これらの金融商品は、ハイリスクハイリターンなので、失敗したときの引き際を間違えれば年収を超えるような借金を抱えてしまうことも珍しくありません。

 

対応が遅れたことで借金がより悪化してしまう

借金問題は、返済に行き詰まってから債務整理に着手するまでの時間が長くなるほど、深刻になる傾向があります。

 

「債務整理」というのは、誰にとっても気の進まないことなので、どうしても対応が遅くなりがちです。

 

特に、三菱UFJ銀行、東京電力、ANAのような超有名企業に勤めている人であれば、周りの目、会社の評価を余計に気にするかもしれません。

 

また、給料それ自体も他の会社よりも高いので、「自分で何とか解決できる」とどうしても頑張ってしまいがちともいえます。

 

上場企業社員の債務整理が会社バレする4つのケースと対処法

借金が返せなくなり債務整理を考えている人にとっては、いわゆる「会社バレ」が一番気がかりでしょう。

 

一般的には、債務整理をしたことが会社にバレることはあまりないといえますが、次のようなケースには注意する必要があります。

 

関連記事⇒債務整理が会社に知られる可能性?自己破産でも勤務先にバレない方法

 

債権者が給料を差し押さえてくる場合

弁護士・司法書士を通じて債務整理することを通知してきた債務者が、旭化成やトヨタ自動車のような有名企業に勤めているときには、債権者が即座に訴訟(貸金返還請求訴訟など)を起こしてくることがあります。

 

借金やクレジットカードの契約のほとんどは、弁護士などからの受任通知が届いた時点で強制解約となり、債権者は一括返済を請求できることになっているからです。

 

つまり、債権者としては、訴訟を提起し判決(債務名義)を得ることで、債務者の給料の差し押さえを狙っているわけです。

 

給料の差し押さえがなされてしまえば、金融機関とトラブルになっていることは、勤務先に必ず知られてしまいます。給料を差し押さえるときには、給料支払者である勤務先へ裁判所から必ず通知が届くからです。

 

しかし、債権者から訴訟を提起されたからといって、すぐに会社に知られてしまうわけではありません。

 

弁護士を代理人に選任していれば、裁判所からの書類は弁護士宛に送付されるようになりますし、判決が言い渡されたからといってすぐに差し押さえが可能となるわけでもありません(控訴をして時間を稼ぐことも考えられます)。

 

また、判決が確定した場合でも、勤務先への差し押さえ通知がなされる前に、自己破産や個人再生を始められれば、債権者は給料を差し押さえることができなくなります。

 

給料差し押さえによる会社バレを防止するためにも、債務整理の依頼は、経験豊富な事務所に依頼し、債権者がどのような対応をしてきても大丈夫なようにしっかり準備することが大切です。

 

関連記事⇒債務整理すると給料は差し押さえられる?給与所得者が注意したい事

 

官報公告からバレてしまう場合

自己破産・個人再生をしたときには、「官報」に氏名や住所、自己破産(個人再生)したことが掲載されてしまいます。

 

とはいえ、一般的な会社であれば上場企業であっても、逐一官報を確認していることはほとんどないでしょう。

 

しかし、ALSOK(綜合警備保障)、セコムといった警備会社に勤めているときには、官報から会社バレするリスクがないとはいえません。

 

自己破産した人は警備業に従事できないので、警備会社はリスクマネジメント・コンプライアンスの一貫として官報情報を確認している可能性がないとはいえないからです。

 

JTBや近畿日本ツーリストのような旅行会社も、旅行業務取扱管理者には自己破産による資格制限があることから、官報を確認している可能性があります。

 

これらの会社に勤めている人が自己破産する際には、勤務先(上司)に事前相談しておいた方がよい場合が多いといえます。

 

信用情報からバレてしまう場合

三井住友銀行のような銀行、JCBカードやセゾンといったカード会社、そのほか金融機関に勤めているときには、信用情報から債務整理がバレてしまう可能性も否定できません。

 

ただし、金融機関が、融資の審査目的以外(人事評価などの目的)で信用情報を照会することは、目的外利用として認められていません。

 

とはいえ、金融機関では、ノルマなどの関係で、自爆営業をするケースも少なくないので、それがきっかけで会社バレする可能性は否定できません。

 

金融機関では、自己破産したことが解雇事由として就業規則に定められている場合も少なくありません。

 

自己破産以外の方法で借金を解決できるよう、できるだけ早い時期に弁護士・司法書士に相談することがとにかく大切といえます。

 

関連記事⇒債務整理とブラックリスト登録期間?個人情報は何年間載るの?

 

コーポレートカード(法人カード)

上場企業では、会社業務に関する決済のためにコーポレートカード(法人カード)を支給している場合も多いと思います。

 

コーポレートカードのほとんどは会社名義のカードなので、社員個人の債務整理でカードが使えなくなることはありません。あくまでも名義人である会社の信用力が問題となるからです。

 

しかし、個人(社員)名義のコーポレートカードの場合には慎重に取り扱う必要があります。

 

個人名義であっても基本的には会社が決済の責任を負うカードなので、債務整理をしたことで即使えなくなるケースは珍しいと思われます。

 

多くのコーポレートカードは、自社カードでの事故がなければ、他社の債務整理は不問とする取り決めを会社としている場合が多いからです。

 

とはいえ、用心するにこしたことはありませんので、コーポレートカードの支給を受けている場合には、弁護士とよく相談の上、慎重に対応してください。

 

上場企業社員の債務整理と退職金

上場企業社員が個人再生・自己破産で借金を解決するときには、退職金の取扱いが問題となる場合が少なくありません。

 

退職金は、法律の上では「給料の後払い」として位置づけられていることから、債権者に借金を返済する原資として考えることもできるからです。

 

自己破産・個人再生での退職金の取扱い

まとまった退職金があるときには、自己破産では、債権者への配当のために差し押さえの対象となり、個人再生では清算価値に計上されます。

 

とはいえ、自己破産や個人再生をしたら退職しなければならないというわけではありません。

 

差押え・計上の対象となるのは、手続きの際に退職すれば支給される退職金の金額の1/8が20万円を超える場合に限られます。つまり、自己破産・個人再生のときに160万円以上の退職金見込み額があるときには、差し押さえなどの対象となるということです。

 

裁判所に提出する書類

退職金(見込み額)は、個人再生・自己破産では、重要な債務者財産のひとつです。したがって、裁判所にその金額を正確に申告しなければなりませんし、その計算根拠の資料も提出しなければなりません。

 

最も正確な方法は、勤務先に、自己破産申立予定日現在での退職金額を計算してもらい、その証明書(計算書)を発行してもらうことです。

 

しかし、勤務先に退職金の計算を依頼することは、勤務先にとってはイレギュラーな対応なので、そこから自己破産がバレてしまう可能性があります。

 

勤務先から計算書(証明書)をもらえないというときには、就業規則や退職金規程に基づいて自分で計算し、規則などの写しを資料として裁判所に提出します。

 

破産管財人による退職金の差押えを回避する方法

自己破産した場合には、自己破産の時点で発生している退職金債権が差し押さえの対象となります。

 

たとえば、自己破産の時点で、320万円の退職金があるというケースであれば、その1/8である40万円が差し押さえの対象となります。

 

この40万円分の退職金は、破産管財人が勤務先に支払いを求めることで回収するのが原則なので、そのままにしておいては、自己破産したことを勤務先に知られてしまいます。

 

破産管財人による退職金の差押えを回避するためには、差押え相当額を債務者自らが積み立てる(もしくは、親族などの協力を得て積み立てる)必要があります。

 

具体的には、自己破産しても手元に残すことのできる自由財産(99万円までの現金を含む財産)や、新得財産(破産手続き開始決定より後に得た収入)から積み立てるのが一般的です。

 

破産管財人とすれば、債権者にきちんと配当ができれば、その財産の出元が、退職金であろうと、債務者の自由財産であろうと問題はありません。

 

裁判所(破産管財人)によっては、退職金相当額の分納を認めてくれることもありますので、あきらめずに、弁護士に相談してみましょう(債務整理に詳しい弁護士であれば、予め退職金への対応を考えながら、自己破産の申立てをするはずです)。

 

個人再生の場合の退職金

個人再生は、自己破産の場合のように債務者の財産を差し押さえて債権者に配当することはありません。

 

したがって、多額の退職金がある場合でも積み立ては不要です。

 

しかし、退職金見込み額の1/8が「清算価値」として計上されるので、多額の退職金があるときには、借金の免除率が下がってしまいます。

 

個人再生における借金の免除率は、負債額に応じて設定されている「最低弁済基準額」と「債務者が自己破産したときに配当可能な見込み額である『清算価値』」の高い方が基準となるからです。

 

たとえば、600万円の借金のある人が個人再生をした場合の最低弁済基準額は120万円です(免除額は480万円)。

 

しかし、この債務者に、1600万円の退職金があれば、その1/8である200万円が清算価値に計上されます。この時点で、最低弁済基準額を超えてしまうので、その分だけ借金の免除率(額)は低くなってしまいます。

 

ソニーや本田技研工業といった有名企業で長く働いている人の場合には、退職金の金額がネックとなって、個人再生をしても借金がほとんど免除されないというケースもあり得ます。

 

関連記事⇒債務整理と退職金?自己破産や個人再生をすると退職金は没収される?

 

債務整理や借金が会社バレしたらどうなる?

借金や債務整理が会社バレしてしまったときにどうなるかということは、とても難しい問題です。

 

その会社の事業内容、その人の担当部署(業務)、労組の強さ、人事や給料の透明性が高いかどうか、内部統制のレベル、上司の性格や職場の風土、さまざまなファクターによって現実の対応が変わりうるからです。

 

借金や債務整理だけを理由に懲戒処分することは違法

法律的な建前で説明をすれば、借金や債務整理といった私生活上の問題にすぎない事情で、不利益な人事評価を受けたり、減給・解雇といった処分をされることは、労働契約法に違反する不当な行為といえます。

 

また、上場企業には、会社の業務執行を透明化するための内部統制が義務づけられています。人事評価や昇級基準などについても、明確な規程があるはずです。また、パワハラなどへの相談窓口もきちんと完備されていることになっています。

 

「会社に迷惑をかけない」ことが何よりも大事

借金が返せなくなったことや、債務整理しなければならなくなったことは、体裁が悪いと感じることです。

 

会社には知られたくないという気持ちは誰しもが持っています。

 

しかし、ケースによっては、債務整理(自己破産)することを会社にきちんと相談すべき場合もあるでしょう。

 

自己破産したことで、会社の業務に直接影響が出るにもかかわらず、会社に報告しなかった場合には、自己破産したことよりも「会社に報告しなかったこと」の方が問題となる可能性があります。

 

また、債務整理せずに返せない借金を長期間放置したことで、仕事に集中できなくなっては、会社に隠しごとをしている意味がありません。

 

仕事でミスをして会社に損害を与えれば、そちらのマイナス評価の方が大きいからです。

 

あくまでも一般論ですが、上場企業であれば、働いている社員の数も多く、社員が債務整理していることそれ自体が珍しいことではない場合も十分にあるでしょう。

 

もしかしたら、あなたと同じ部署の同僚にも債務整理をしている人がいるかもしれません。

 

その意味では、属人的な中小企業よりも、社員の借金・債務整理については、ドライな対応をしてくれる可能性も高いと考えることもできるのではないでしょうか。

 

まとめ

うちの会社は上場企業だから債務整理がバレたら出世に響くと心配してしまう人は多いと思います。

 

たしかに、業種によっては、自己破産したことで退職を余儀なくされるケースもあるかもしれません。

 

しかし、会社にバレずに債務整理をする方法は、たくさん残されています。むしろ、債務整理が会社にバレてしまうケースは多くないといえます。

 

それよりも、借金が返せないことで、仕事に集中できずに会社に迷惑をかけてしまうことの方が、大きな問題になりかねません。

 

借金の返済に行き詰まってしまったときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談して正しく対応するとが、会社にバレずに借金を解決できる一番の方法といえます。

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